FPの落書き

お金のこととか、想ったこととか、落書きするところ。

13.学資保険は要注意

どーも、だいごです。

 

先日生命保険の料率改訂について書いたところ、

 

学資保険についてはどうなのかという質問をいただいたので、

今日はその辺りを書こうかと。

 

もうすぐ新年度も始まるし、

教育費について考え出す人も増えてきてる感じなのかな?

(単に販売側の都合って可能性もゼロではないけど)

 

 

一応断っておきますが、

今回の内容もあくまで僕個人の意見なので参考にするかどうかは各々の判断に委ねますm(_ _)m

 

 

 

学資保険って?

まずはどんなものなのか?というお話から。

 

 学資保険という名前のとおり、

「学」ぶ為の「資」金(=学費など)を備える「保険」です。

 

大体満期(毎月の保険料払込が終わる時期)は18歳とかに設定されており、

お子さん(被保険者=保険で守ってもらってる人)に対する保障もセットで付いてたりして、

契約者(毎月の保険料を払ってる人=大抵両親のどちらか)に不幸があったら以後の保険料を免除する

 

って形になってるのがよく見るタイプかと。

(会社によって商品の特性は変わりますよ)

 

そしてめでたく満期を迎えたら、

今まで払ったお金が110~115%位になって返ってくるので、

 

お子様の大学費用に当てましょう!

といった感じのものになります。

 

 周りの方で加入したり検討したりって話を聞くのは、

S社かK社のものが多いかなぁという印象。

 

学資保険というジャンルの中では、確かに比較的優位性がありますしね。

 

 

まぁ、学資保険というネーミングはついてますが、

厳密には「終身保険」か「養老保険」なんですが。

 

 

 

 

実際のところ

一見すると中々良さげにも見える学資保険なのですが、

 

ちょっと待った、です。

 

全否定はしませんし、目的によっては最適にもなり得るのですが、

「学費を備える=学資保険」という思い込みは取っ払ってほしいです。

 

なんでか?

分解して1つずつ考えてみます。

 

 

①投資という観点

「貯蓄型の保険」と言われてはいますが、

 

「増やすこと」を目的にしているなら厳密には投資です。

 

もちろん、

学費、老後の生活費、住宅費用など、

「用途」としての目的はありますが、

 

それらの目標を達するために、

 

お金を増やすことが「投資という行為」自体の目的になります。

 

 

ではどのくらい増えるのかというと、

 

18年で110%や、

10年払いで18才時点で115%

(厳密には18,19歳から何年かに分けて全てを受け取るケースが多いですが)

 

年率を計算すると、約1.2~1.5%/年。

(受取額÷積立総額を複利で計算、18歳満期計算)

 

預貯金に比べたら断然利率が良く、

会社が潰れたりしなければ1.2%以上の利率を約束してくれて、

保障もついてて、

最強か!

 

って感じですが、

全然そんなことは無く。

 

むしろ、

18年という「時間のリスク」を取った結果のリターンが1%ちょっとだと、

金融商品の中ではミドルリスク・ローリターン位なイメージです。

 

 元本確保タイプで限定したとしても、より良い利率のものもありますしね。

 

 

また、仮に選択肢を預貯金・生命保険のみに絞って考えた場合でも、

終身保険の短期払いや一時払いなど、

ある程度まとまった資金があればもう少し増えます。

 

販売側のコミッションが低くなるので、

良心的な人でないと自分から言ってこないケースが多いですけどねw

 

 

 

 

終身保険養老保険の弱点

契約者(御両親のどちらか)に不幸があった際、保険料の払込が免除となるのは有り難いのですが、

 

今度はここで学資保険(終身保険or養老保険)の分かりづらい弱点も出てきます。

 

そもそも貯蓄型の保険商品の構造を簡単にのべると、

 

月々の保険料は

①保障

②貯蓄

③会社経費

 

の三つの費用が足されてできてます。

 

 

仮に満期まで無事に迎えられた場合、

積立額が少し増えて帰ってくるのでデメリットはなさそうですが、

 

逆に途中で不幸なことがあった場合、

支払ってたうちの②は消えてしまい、

①からのみお金が支給される形になります。

 

簡単にいうと、

会社経費を除いた①②に支払った保険料が全額戻ってくるということは無いってことになります。

 

なので保障も貯蓄もどちらもほしいなら、

分けてチョイスした方が実はより良くなることも結構な確率であり得ますです。

(学資保険と同程度の保障を持とうと思ったら、30才男性で1000円ちょっとで賄えたりします)

 

セットになっててお得になってるようなイメージもありますが、

金融商品はセットにしても③の経費部分が変わらなかったり、

場合によっては割高になってるケースもあります。

(細かい話になるので、今回は割愛)

 

 

 

③貯蓄という観点

①では投資=増やすという観点で見ましたが、

預貯金として考えた場合。

 

そもそも金融商品というものを大別すると、

(1)預貯金

(2)保険

(3)投資

 

という分類になると思いますが、

それぞれ役割や強みは異なるもの。

 

(1)の預貯金で役割・強みは何かと考えると、

流動性」です。

 

つまり、

いつでも引き出せる・使えるということ。

 

仮に預貯金からこの「流動性」が失われた場合、今の御時世でメリットはあるのでしょうか?

(少なくとも自分は感じない、、、)

 

つまり、預貯金として考えた場合は、検討の余地もなくなるのが学資保険(貯蓄系の保険)になります。

 

 

 

まとめ

学資保険というものを少し分解して説明しましたが、

今回伝えたかったことはひとつ。

 

選択肢(金融商品)はイメージに惑わされず、目的に合わせて的確にチョイスしましょう

 

ってことでした。

 

 

もちろん、そのためには多少なりとも情報収集や目的の整理など必要ではありますが。

 

ただ、何度もしつこく言うようですが、

金融マンの言われた通りにするということはどこかしらリスクもあるということは理解しておいてほしいです。

(上記の内容すら知らない自称プロの金融マンも沢山いるのでw)

 

 

金融マン側の、悪意や善意の有無はあまり関係ありません。

 

損得無視で託したいと思える程の担当者に出会えてるとしたら、

それはとても幸せなことなので是非その方を選ぶべきです。

 

足りないことがあるとしたら、その方の勉強だけかと。

 

 

そうと言い切れない場合は、

自分の身を守るためにも最低限のことは興味をもってもらえたらなぁと思ってます。

 

 

個人的には、

金融や経済のことを語り合える人が増え、

選択を誤ってしまう人も減ることを考えただけで、

すごくワクワクします(^^)

 

 

 

まとまりがないけど、

こんな感じで学資保険のお話はおしまいm(_ _)m

 

それではー。

 

 

広瀬大悟